粗悪なジャーナルの定義は複数ありお答えするのは難しいのですが、簡単に説明すると、次のようなジャーナルと言えるでしょう:
「粗悪なジャーナルとは、著者を欺き搾取的行為を行うジャーナルである」
「粗悪なジャーナルとは、著者を欺き搾取的行為を行うジャーナルである」
この後具体的に見ていくように、「著者を欺き搾取的行為をする」という概念は様々な形態をとるため、どの出版社やジャーナルが搾取的で、どれが搾取的ではないかについては、人によって意見が異なります。しかし、数多くの粗悪なジャーナルが明らかな詐欺にかかわっていることには疑いの余地がありません。
粗悪なジャーナルは、論文を公表するための料金として、通常は原稿出版加工料(article processing charge:APC)を著者から徴収しますが、その対価としてのサービスはなく、正当なジャーナルが行うような標準的なエディトリアルレビュー、査読,その他の倫理規範を遂行しません。粗悪なジャーナルの多くは、料金や出版プロセスについて不透明、正しくない、または紛らわしい記載をしています。
粗悪なジャーナル・出版社についての最新の定義は2019年12月のNatureに記載された記事をご覧ください。この包括的な定義は、3ラウンドの修正Delphi法を用いて18の質問項目と28の下位質問項目を12時間かけて検討したうえで、10か国、43名の参加者の合意を得て決定されたものです。
コンセンサス定義:
“Predatory journals and publishers are entities that prioritize self-interest at the expense of scholarship and are characterized by false or misleading information, deviation from best editorial and publication practices, a lack of transparency, and/or the use of aggressive and indiscriminate solicitation practices.”
Grudniewicz et al., Nature 576, 210-212 (2019)
「粗悪なジャーナル・出版社は、学問を犠牲にしても自己の利益を優先し、虚偽または紛らわしい情報、編集および出版のベストプラクティスからの逸脱、透明性の欠如、および/または攻撃的で見境の無い勧誘を特徴とするものである。」
(弊社による翻訳)
このように粗悪なジャーナルが明確に定義されると、次に必要となるのは、著者および査読者がどのようにそれらを見分け、回避するかの知識です。