今やインターネットでほぼ瞬時に世界中の研究者と連絡を取ることができるのに、なぜまだ研究者たちは学術集会に参加するのでしょうか？その主な理由は3つあります。（1）人脈を作るため、（2）協力し合うため、そして（3）同じ分野の他の研究者が行っている研究を知るためです。正当な学術集会は、これら3つすべての機会を提供します。

ジャーナルに公表された論文は、研究結果の永久的な記録となりますが、学術集会での発表、ポスター、抄録集は、研究の現状を手短に伝えるスナップ写真のようなものといえるでしょう。正当な学術集会には、研究を発表し、討論に加わり、ポスターを閲覧し、そして仲間と交流するための場を提供してくれるという価値があります。質の高い学術集会となると、著名な講演者を招聘し、そして大抵はピアレビューされた抄録集を発行しています。その学術集会の活動が発表者や参加者の目的に適っていることは疑いもないことでしょう。

残念ながら、一部の学術集会は、先に述べた正当な学術集会の目的を満たしていなかったり、ピアレビュー、営利目的である主催者の立場、参加予定者数などの詳細について、参加者が誤解するような情報を与えています。このような学術集会が、ハゲタカ学術集会と呼ばれるものです。

悪辣な企業は、参加者にわずかな見返りしかもたらさないような「学術集会」を複数開催して、可能な限り多くのお金を手に入れようとします。これらの学術集会はリゾート地で開催されることが多く、参加費が高く、大学教授や研究者に参加費用として研究資金を使わせようとするのです。

ハゲタカ学術集会は、発表内容の編集上の監督を適切に行うこともなく、例えば本来行われるべきピアレビューのプロセスを飛ばしてしまうなど、手抜きをします。また、実際にはその学術集会に関与していない一流の講演者が出席するような宣伝をしたり、正当な学会と提携しているように偽って、参加者を集めたりします。

研究のための時間、研究結果、研究資金は貴重であり、参加者のためではなく主催者の営利目的で開催される質の低い学術集会のためにこれらを無駄にしたくはないでしょう。今回は、ハゲタカ学術集会の概要を示し、用心すべき警告サインをいくつか取り上げました。ハゲタカ学術集会についてさらに詳しく知りたい場合は、日本におけるハゲタカ学術集会に関するジャパンタイムスの最近の記事を参照してください。

参加を予定している特定の学術集会や論文の公表を検討中のジャーナルについて懸念がある場合は、弊社までご連絡ください。学術集会およびジャーナルに関する弊社の幅広い知識に基づき、アドバイスをさせていただきます。ハゲタカジャーナルまたは学術集会に騙されてしまった場合でも、弊社が皆様の研究と資金を確実に守るために何をすべきかをご提案しますので、きっとお役に立てると思います。