皆さんが発表するときには、聴衆に声がよく聞こえ、何を言っているのかよく理解できることが重要です。マイクを使用していても、マイクには限界があることに注意しましょう。また、緊張すると話す速度が速まり、よりわかりにくくになります。深呼吸をして落ち着くようにし、敢えて普段より少しゆっくりと話すように心掛けましょう。話しの合間に自然に間をとるのもよいでしょう。そうすることによって、気持ちが落ち着き、明瞭に話ができるようになります。口が渇くのが心配なときには、ボトルの水を1本持って行きましょう。発表の合間に時々水を飲むと、自然と間があくので気持ちが落ち着きます。
また、声が会場によく通ることも重要です。聴衆のほうに向けて顔を上げているかどうかを確認しましょう。前列だけではなく、後列の聴衆にも話し掛けるように意識し、普段声が小さい人は、後ろまで声が届いているかどうかを確認しましょう。プレゼンテーションの間ずっと聴衆とアイコンタクトをとり続けるようにすると、発表の最後まで会場に声がよく通ることになるでしょう。
聴衆の関心をつかむためのもう1つの要素は、講演者の声のイントネーションです。話のピッチ、声量、リズム、そして声色を調節することによって、聴衆の興味を引き付け、自分が意図するところを伝えやすくなります。そして、活気のある声は、皆さんの研究への熱意も伝えます!
聴衆のほとんどは思いやりのある目で講演者を見守り、第二言語で発表することがどれだけ難しいかをよく分かっているでしょう。発表中には、間違ってしまうのではないかとビクビクしがちで、緊張が高まっているときには、間違ったことによって自信を喪失してしまうことにもなりかねません。もし間違ってしまったときには、「Don’t panic!(慌てないで!)」というアドバイスを思い出してください。
一回の練習時間が限られている場合は、練習のたびに異なる部分から始めると、発表全体を少なくとも1回は練習できるでしょう。
経験豊富な講演者でさえも口ごもることがありますし、どんなに慎重に準備をしても上手くいかないことはあります。発表中の小さな間違いは、必要であればその場で訂正しましょう。聴衆は皆さんが思っているほど厳しい目で講演者を評価したりはしないものです。もし、大きな間違いをしてしまったときには、センスの良いユーモアを交えてそれを認め、即座に訂正しましょう。取り乱して恥じ入った対応は、かえって聴衆に不快な印象を与えてしまいます。笑顔で、「Sorry about that(失礼しました)」や「Let me try that again…(もう一度説明させて下さい)」と言って訂正すれば、上手くいくでしょう。