October 2025
「ジャーナル・スナッチャー」による学術誌乗っ取りへの懸念
多数の正当な学術誌が新設企業に密かに買収され、粗悪なハゲタカ出版の様相を呈する疑わしい形態へと変貌している実態をNature誌が報告しています。オープンアクセスのリポジトリZenodoで公開されたプレプリント論文によると、スペイン・グラナダ大学の研究者らが、少なくとも36誌が売却後に掲載料を大幅に引き上げ、編集方針を変更していたことを確認しました。しかも多くの場合、新たな所有者については公表されていませんでした。
影響を受けた学術誌の多くは、もともと大学や、Elsevier、Palgrave Macmillianといった老舗出版社によって運営され、ScopusやWeb of Scienceなどの学術データベースに収録されていましたが、後にリストから削除されました。研究者たちは、こうした買収の背後に比較的新しく設立された企業のネットワークが存在することを突き止め、紛らわしい編集方針や慣行、透明性の欠如、学術的資格・業績の不正操作の可能性について懸念を示しました。
調査の一環として、Natureが36誌すべてにコンタクトを取った結果、一部は所有権や編集体制についてコメントを拒否し、また、2誌のウェブサイトには、研究者自身の名前が編集者として虚偽記載されていたことが判明しました。これらの調査結果は、不透明な所有構造や強引な出版手法と相まって、影響を受けた学術誌の信頼性と研究の質への潜在的影響について深刻な懸念を喚起しています。
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