論文にカバーレターを添えて投稿しなければならないとき、投稿の直前になってレターを作成する方が多いのではないかと思います。そして、何を書けばいいかとあれこれ悩むうちに、思っていたよりも時間がかかってしまい、最終段階になって投稿が遅れ、ストレスを感じる原因になってはいないでしょうか。
論文にカバーレターを添えて投稿しなければならないとき、投稿の直前になってレターを作成する方が多いのではないかと思います。そして、何を書けばいいかとあれこれ悩むうちに、思っていたよりも時間がかかってしまい、最終段階になって投稿が遅れ、ストレスを感じる原因になってはいないでしょうか。
今回の特集では、効果的なカバーレターを簡単に作成する助けとなるように、レターに適した表現やレイアウトのヒントをご紹介したいと思います。また、カバーレターのテンプレート(Wordファイル)をご用意しました。ダウンロードしてご利用いただくと、作成にかかる時間を節約できるだけなく、標準的な著者ステートメントや、よくジャーナルが求める必要情報の記載もれを防ぐのに役立つでしょう。
同じジャーナルに修正論文を再投稿する場合、査読者への回答書は、初回投稿のときのカバーレターとは異なるものであることに注意してください。査読者への回答書を書くときのヒントとテンプレートは、過去の特集記事をご覧ください。
多くのジャーナルの投稿規定では、カバーレターの提出が義務付けられています。カバーレターは任意、または必要としないジャーナルもありますが、その場合でも、論文と一緒にカバーレターも提出した方がよいでしょう。
1. カバーレターにジャーナルが要求する標準的なステートメントが書かれていることによって、ジャーナルのスタッフは、著者が研究倫理や出版慣行に従ったこと(または従ったと述べていること)を確認することができます。これらのステートメントを見れば、(i)ヒトを対象とする研究のための倫理ガイドライン(ヘルシンキ宣言または動物を対象とする研究のためのガイドラインARRIVE ガイドライン)に従っているか、あるいは研究機関のガイドラインに準じているか、(ii)研究機関の審査委員会あるいは倫理委員会から研究倫理に関連する承認を得ているか、(iii)研究の参加者からインフォームドコンセントまたは同意を得ているか、(iv)著作者の条件に従っているか(例:ICMJEの著者資格基準)、(v)重複投稿がないか、(vi)自分の論文の査読をしてもらいたい候補者(逆に、査読をしてもらいたくない候補者)がいるか、といったことが明確になります。
2. カバーレターに論文の内容が簡潔にまとめられていると、ジャーナルエディターはそれをすぐに把握することができます。最も重要な結果とその意義を強調すれば、なぜあなたの論文が興味深いものであるかをわかりやすく示すことができるのです。
Springerのように、カバーレターを任意とするジャーナルもありますが、カバーレターを提出することは「投稿した研究の重要性とその研究がなぜジャーナルに適しているのかを簡潔に説明する素晴らしい機会」にもなるのです。Springerのように、論文をジャーナルエディターに“売り込む”ために、カバーレターを書くよう奨励する出版社もあります。
3. ジャーナルの投稿規定に指示されている情報がすべてカバーレターに書かれていると、それを見ただけで、著者が投稿規定をよく読み、時間をかけて投稿ファイル一式のフォーマッティングをしたことが推測され、良い第一印象を与えることができます。さらに、カバーレターの宛名にジャーナルエディターの名前が書かれていれば、著者が細部にまで注意を払ってレターを作成したことが伝わり、インパクトファクターが動機ではなく、そのジャーナルに自分の論文が本当に適していると考えていることを、ジャーナルにアピールすることができます。
カバーレターは、行間を空けずにタイプし、1ページを超えない程度の短いものが理想的です。内容は大まかに6つのセクションに分けられます。
では、書くときのヒントをセクションごとに見ていきましょう。これらのヒントが該当箇所に記載されているテンプレートも忘れずにダウンロードしてください。
この段落でよく使われる言い回し
この段落でよく使われる言い回し
カバーレターは、厳密に言えば原稿の一部ではありませんが、投稿するジャーナルのエディターが投稿原稿をどう捉えるかに影響します。投稿先のジャーナルに合わせて作成されたカバーレターは、説得力をもってジャーナルエディターに研究内容を伝えます。カバーレターにスペルや文法の間違いがなければ、エディターが好意的な印象を持った状態で、論文原稿に目を通すことにつながるでしょう。
この記事で紹介したヒントとWordテンプレートが、プロフェッショナルで完全なカバーレターを効率よく作成する一助となることを願っています。ThinkSCIENCEでは、テンプレートが、プロフェッショナルで完全なカバーレターを効率よく作成する一助となることを願っています。ThinkSCIENCEでは、投稿規定の一部として、各分野の専門知識を持つエディター・翻訳者・ライターが、エラーのないカバーレターの作成や修正をお手伝いします。投稿先ジャーナルが必要とするステートメントが含まれるように、カバーレターを作成します。
最後に、ThinkSCIENCE無料メンバーリワードプログラムのメンバー様が来年3月末までにフルペーパーの研究論文の校正または翻訳を依頼される場合、初回投稿用のカバーレター(1通)を無料で校正・翻訳しますので、ぜひご利用ください。