始めから英語で書く
英語が母国語ではないが、文章間のつながりを表現するのに十分な英語能力があり、かつ、執筆に費やせる十分な時間がある場合は、初めから英語で論文を書くことは良い考えだと思われます。英語的な論理の流れが使われ、母語言語からの「直訳」も少ないでしょう。
自然な英語を書くための詳しい情報とヒントについては、1月の特集をご覧ください。
原稿は投稿前に校正を受けるべきでしょうか?
同じ文章中、または文章をまたいで、ある概念と別の概念の関連性を表現するのに十分な文法能力があるならば、あなたの科学的なメッセージは理解されるはずです。入念な見直しと校正が終わり、自分のメッセージは査読者に理解されるレベルに達したと確信できれば、つまり、査読者が、あなたの主要なメッセージとそれを支持するエビデンスに余計な時間を費やすことなく、また難なく理解できるような原稿が出来上がったのならば、文法的な間違いが少しばかりあったとしても、その原稿は投稿してよいレベルであると判断してよいでしょう。
ジャーナルのエディターが、あなたの論文を(マイナーなエラーがあるとしても)理解できるならば、通常、その論文は査読者に送られます。査読者は、論文に書かれている科学的内容が明確に理解できるものである限り、査読を行います。その後に、語学的なエラーを再投稿の前に訂正するように指示があるかもしれません。ここで大切なのは、ジャーナルエディター、査読者のどちらも、著者のメッセージを読みとるのに、余分な手間がかからないということです。
したがって、ここでの要点となるのは、査読者があなたの英語を難なく理解することができるかということです。もし、理解されないかもしれないと思うならば、英語の得意な同僚や、専門領域のネイティブの校正者に依頼して、より明確な原稿に整えてから投稿を考えた方が良いでしょう。
査読者のコメントに従って論文を修正する必要がある場合、少なくとも修正前のレベルを保った原稿を作成する必要があります。ですから、修正後の原稿を見直す際にも、英語の校正が必要かを自問し、英語ネイティブの同僚、または専門分野のネイティブの校正者へ校正依頼をする必要があるかどうかを判断しましょう。
ジャーナルがコピーエディティングのサービスを提供しており、受理された論文中の語学的エラーや、規定スタイルとの不一致などを修正する機会があるかどうかも考慮すべきです。PLOS ONEなどのように、コピーエディティングをしないジャーナルもあります。そのようなジャーナルへの投稿をお考えの場合は、修正後の原稿を再投稿する前に、包括的な校正か、プルーフリーディングを受けることをお勧めします。
これまで述べてきたことと同じくらい重要なこととして、執筆に使える時間についても述べたいと思います。時間が限られている場合、優れたライターによる原稿でさえもエラーを含みます。母国語ではない言語で執筆したものであれば、この傾向はより顕著になります。
時間に余裕がない場合には、限られた時間内で急いで、おそらく明確さを犠牲にして英語で書くか、科学的なメッセージを正確かつ明確に日本語で説明するか、どちらが良いかを考えましょう。英語の校正が必要(または不必要)か、あるいは日本語から英語への翻訳が必要かは、自身のスケジュール等も踏まえた上で、著者自身で判断することになります。
私たちがご提供しているEXPRESSサービスをご利用いただくと、非常に専門的な内容のご依頼に、私たちの翻訳・校正チームが短時間で対応することも可能です。ご自身で判断しかねる場合は、私たちがお客様の状況に最も適した解決策を見つけるお手伝いをしますので、ぜひご相談ください。
両戦略を使用:母国語と目標言語の両方で書く
母国語(例:日本語)と目標言語(例:英語)の両方を組み合わせて書きたいという場合もあるでしょう。このような場合には、単一原稿中の翻訳箇所と校正箇所の両方に対応する組み合わせサービスをご利用いただけます。
例1:校正をした英語論文を投稿した後、今度はその修正論文を急いで作成して再投稿しなければならない場合、お客様が新規追加部分を日本語で書き、それを私たちのチームが翻訳し、既存の内容に対して論理的な一貫性と、整合性をもつように論文全体を校正します。
例2:新規論文を英語で書いている途中で時間が足りないことに気づき、残りは日本語で書いて論文を完成させた場合、私たちのチームが、英語で書かれた部分に対しては、必要となる校正の程度に応じて、包括的な校正またはプルーフリーディングを行い、日本語部分は、翻訳後、論理的な一貫性と、整合性をもつように、英語部分につなげます。