BioMed Central は先ごろ、ピア・レビューの仕組みを悪用した不正を理由に、多数の論文の掲載を撤回したと報告しました。残念ながらこのような不正レビューを、おそらく何も知らない著者に対して、提案し、行ってきた同業他社があったようです。
BioMed Centralの研究公正担当シニアエディターであるElizabeth Moylan女史の報告にあるように、「この不正な操作の中には、著者に文章の校閲や投稿支援サービスを提供する第三者機関が行ったものがある」とみられています。現在、BioMed Centralをはじめとする各出版社は出版倫理委員会 (Committee on Publication Ethics: COPE)と協力し、この問題に長期にわたって取り組もうとしており、COPEのガイドラインに則して不正が関与したと判断された論文については、掲載を撤回しています。
本来意義のあるピアレビュー制度がこのように堕落することは、誠実な学者や研究者にとっては決して良いことではありません。また、不正を行っている会社と関わることで、偽るつもりなどなかった人々が汚名を着せられることになるかもしれません。第一言語ではない言語で発表しなければならない著者は、翻訳者とエディターは守秘義務を守り、且つ倫理的に自分の原稿を取り扱っていると信じているので、このようなケースにおいて、結果的に不利な立場となることがあります。
ThinkSCIENCEでは、著者の出版倫理に関するワークショップを定期的に行っています。また、出版倫理に関する弊社の責任範囲についても明確にしていますので、お客様にご提供しないサービスもございます。著者の皆さまには、疑わしい業者によくある傾向を2つご紹介したいと思います。