June 2024
研究評価の改善:東京大学が日本の大学として初めてDORAに署名
学術雑誌の数は増え続けており、そのほとんどは正当なものですが、中には粗悪なプレダトリーであるものも含まれています。そうした学術雑誌に掲載される論文の数が増えるなか、研究の質を評価することはますます難しくなっています。従来、研究機関や資金提供機関は、研究者が発表した論文の質を検討する際に学術雑誌のインパクトファクターやその他のパブリケーションに関する指標を頼りとしており、これは雇用や終身在職権(テニュア)、助成金申請などの決定に影響を及ぼしてきました。2012年に発表された研究評価に関するサンフランシスコ宣言(San Francisco Declaration on Research Assessment: DORA) は、雑誌ベースの評価指標を、より広範な定量的・定性的な評価指標に置き換えることを推奨しています。つい最近では、DORAから、一般的に使用される指標の長所と短所を理解するためのガイドが発表されました。
東京大学はこのDORAに署名した最初の日本の大学です。DORAの署名者には、研究者、研究機関、出版社、資金提供者などが含まれ、「個々の科学者の貢献を査定する、すなわち雇用、昇進や助成の決定を行う際」、個々の研究論文の質を評価するために雑誌ベースの指標を使用しないことを誓約しています。また、他の施策においても透明性のある評価基準を支持しています。
これらが実践されることにより、研究者がより質の高い研究を生み出す動機付けとなり、彼らの努力に相応する評価がなされることが期待されています。
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