April 2023
研究論文などの執筆におけるAIツールの使用に関して、出版倫理委員会(COPE)が新たな指針を発表
多くの大学や研究機関が、研究論文や助成金申請などの文書作成にChatGTPなどのAIツールを使用する際のルールや制限に関するガイドラインを発行しています。AIツールの用途拡大に伴い出版倫理に反する事例が多く発覚していることから、その使用に関するガイダンスが急速に作成されつつある状況です。
出版倫理委員会(COPE)はこのほど、執筆者、ジャーナル編集者、出版社など、研究に関連したパブリケーションに携わる人たちの指針となるposition statement on Authorship and AI Tools(オーサーシップとAIツールに関するポジションステートメント)を発行しました。そこでは、次のように述べられています。
1. AIツールは著者要件を満たさないため、論文の著者として記載することはできない。
2. AIツールを使用して論文を執筆する者は、その使用について透明性をもって開示しなければならず、データの収集や解析および本文や図表の作成にどのAIツールをどのように用いたのかを明記しなければならない。
なお、論文の著者は、AIツールで作成した箇所が原稿に含まれていても、自分たちの原稿の内容について全責任を負うことに変わりはなく、したがって出版倫理に反するいかなる事象や行為に対しても責任を負うものである。
このポジションステートメントには上記のようなガイダンスの根拠となったリソースが示されています。しかし、状況は急速に変化しています。皆さんが、例えば、著者、査読者、ジャーナル編集者の立場でどのような影響を受けるのか、さらに詳しくお知りになりたい場合は、私たちにお問い合わせください。パブリケーションに関する最新のベストプラクティスについてご説明します。
学術論文などのパブリケーションにおけるAIツールの使用に関しては、COPEがより詳しい見解を公表していますので、こちらもご覧ください。
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